オステオパシーとは

A.T.スティル写真
           A.T.Still

 

オステオパシーとは1874年に

 

アメリカの医師、アンドリュ

 

ー・テイラー・スティルにより

 

発表された医学体系です。

彼は当時の薬剤信仰に疑問を持

 

ち、からだに本来そなわってい

 

るはずの自然治癒力を最優先す

 

る治療法を研究しました。

 

多くの患者を診察し、観察を続

 

けていくうちに、どんな病気の

 

患者にも必ず、筋骨格系の異常があることに気付きます。   

 

彼はこの筋骨格系の異常が、血流、リンパの流れ、そして神経系の

 

問題を引き起こし、体内での酸素・栄養素などの供給、さらに代謝

 

による老廃物の排泄に障害を生じさせて、体に様々な症状が出るの

 

ではないかと考えました。

 

そこで自ら、手技により筋骨格系の異常を取り除く方法を考え出し

 

ます。

 

その方法に「骨」を意味する「オステオ」と「病む」を意味する

 

「パソス」というギリシャ語から「オステオパシー」と名付けまし

 

た。

 

その効果はとても高く、体の痛みや痺れだけでなく、呼吸器系、循

 

環器系、消化器系など、多くの症状が改善していきました。


その後、彼はこの方法により多くの患者を救い、その効果の高さか

 

らオステオパシーはアメリカ全土に普及します。

 

日本ではまだ聞き慣れない言葉ですが、現在では発祥の地アメリカ

 

をはじめ、カナダ、イギリス、フランス、 オーストラリア、ニュ

 

ージーランド、などで国家資格として認められています。

 

アメリカではメディカル・ドクター(M.D)と同様に投薬、手術

 

など全ての医療行為ができる完全な医師「ドクター・オブ・オステ

 

オパシー(D.O)」、その他の国は手技のみの国家資格です。

 

つまりアメリカのD.Oはメディカル・ドクターと同様の医療行為

 

を全て行う権限があり、さらに薬のみに頼らず手技を使用して治療

 

するため、よりホリスティックな観点から患者を診ることが出来る

 

ということです。

 

オステオパシーを特徴づける最も大きな点は、全身を見ることがで

 

きるということではないでしょうか。

 

脊柱の調整はもちろん、指の関節の動きの改善、内臓の緊張を取り

 

除く、頭蓋骨の調整をおこなうなど、からだの中で見ない部分はあ

 

りません。

 

頭蓋骨の調整と言われてもピンとこない方も多いと思いますが、頭

 

蓋骨は小さな骨が縫合というものでパズルのように組み合わされて

 

おり、頭蓋骨がゆがむと、体にさまざまな不調が出てくる場合があ

 

ります。

 

現在90歳を過ぎて、現役で小児専門の頭蓋オステオパシー治療を

 

行っているアメリカのビオラ・フライマンD.Oのところには、世界

 

中から難病の子供たちが集まり、大きな成果をあげています。

 

(ヴィオラM. Frymann、DO、FAAO、女史は2016年1月2

 

3日に永眠されました。享年94歳)

 

オステオパシーでは、からだはすべてがつながり合っており、どこ

 

か一部が不調になれば必ずほかの部分にも影響が出ると考えます。

 

ですから症状の出ている部位だけでなく、全身の状態を見て施術を

 

行っていきます。

 

 

 

最後にオステオパシーの創始者A・T・スティルの著書「The Philosophy and Mechanical Principles of Osteopathy」(1902年出版)から、

 

 

We suffer from two causes ー want of supply and the

 

burdens of dead deposits.

 

 

我々は2つの原因、供給の不足、そして死んだ堆積物の重荷に苦し

 

んでいるのである。

 

 

 

 

オステオパシーとは筋骨格系にアプローチして血液、リンパ、脳脊

 

髄液等の体液の流れ、そして神経系の働きを正常化し上記の2つの

 

原因を除去することにより、人を健康へと導く論理的、実践的な知

 

識と技術です。

 

 

                白山オステオパシー院長

                       眞野俊博