スティルの虫垂炎に対する見解

 

前回、A.T.スティルはその生涯に数百例の虫垂炎を外科手術をせずに、オステオパ

 

シーの手技だけで治療したと書きましたが、スティルの虫垂炎に対する見解を要

 

約すると、以下のようになります。(スティルの文章にはGOD(神)が頻繁に

 

出てきたり、ややこしい表現が多いのですが、私なりに解釈するとこうなりまし

 

た。)

「虫垂炎とは、虫垂への神経系や血管系の障害により虫垂の平滑筋が、中に入っ

 

た異物を自らの収縮力によって、外部に排出できない状態になっているもの。」

 

スティルが治療していた1800年代後半から1900年代前半にかけては、

 

在ほど医師の外科手術の技術が高くなかったのか、病気の治療のため手術をし

 

て、逆にそれが原因で亡くなる方も多くいたようです。

そのため、他の病院で虫垂炎と診断され手術をするように言われたが、手術する

 

のが嫌でスティルのところを訪れた患者が多くいたようです。

そして、患者への問診と体の検査をすると、あらゆるケースで何かにぶつかった

 

り、落下したり、または緊張によって生じた背骨のいくつかに障害があったこと

 

が見つけられたと書いています。

すべての患者が、胸椎、肋骨、腰椎、骨盤などの治療により、回復したそうで

 

す。

これは腎臓、胆嚢など他の内臓疾患にも同じことが言えると書いています。

次回は、体の機能障害に大きな役割を果たしている筋肉と腱の構造について書き

 

たいと思います。