四十肩、五十肩の原因とオステオパシーによる治療(3)
今回は、四十肩、五十肩の私なりの具体的な治療方法を書きたいと
思います。
リンパの時にも書きましたが、私はどんな症状の方が来ても静脈角を
開放するために、最初に鎖骨周辺を緩めます。
四十肩、五十肩の場合、静脈角の開放がそのまま肩の治療にもなります。
まず、肩関節の部分をいろいろな角度から圧迫して制限のある部分を
特定します。
問題のある箇所がわかったら、その部分を圧迫、牽引などをしながら
沈着物を取り除いていきます。
つぎに、鎖骨の弯曲を見ます。
鎖骨は通常は軽いS字のカーブを描いていますが、このカーブが極端に
きつかったり、あるいは直線的になって固まっている場合が、
よくあります。
ここも、圧迫を加えながら鎖骨の形を整え、同時に胸鎖関節や、鎖骨下筋
の制限も取っていきます。
痛みが出る部位としては、関節や骨が固まってしまっていて、腕を
上げたときに、鎖骨の肩峰端が肩甲骨の肩峰部分にぶつかって
痛みを発している場合が多いようです。
次にうつぶせになってもらい、肩甲骨の制限をとります。
肩甲骨も変形して固まっている場合が多いので、圧迫を加えながら
正しい形に戻していきます。
肩甲骨が歪んでいると、肋骨の上をスムーズに滑ることができず、
ひっかかる感じがあったり、ゴリゴリと音がすることもあります。
ある程度、骨のゆがみと関節周囲の靭帯などの硬さが取れたら
異常緊張している、筋肉の制限を取っていきます。
表面の筋肉だけでなく、肩甲下筋などの肩甲骨の裏側に付着している
筋肉のチェックも忘れてはいけません。
だいたい、以上のような施術をおこなっていきますが症状が出てからの
期間で、一回で肩が上がる人もいれば、何回か通わなければいけない
人もいます。
それでも、今のところは私のところに来た方は、全員普通に肩が
上がるようになりました。(現在治療中の方もいます。)
本当は治療という言葉を使ってはいけないのはわかっていますが、
よい表現が見つからないので、医者の皆さん御了承ください。