排卵と生体電位

 

元イエール大学医学部解剖学教授 故ハロルド・サクストン・バー博士は


教鞭をとりながら生体の動電場、彼の言い方で呼ぶとライフ・フィールド


(Lフィールド)について長年、研究をおこないました。


彼の発見は、あらゆる生命体には動電場が存在し卵子から細胞が各器官に


分化する際、あるいは病気の際にもこの動電場には変化が起こり


さまざまなことが、電位変化を調べることにより解るというものです。


以前「蚊はどのようにして沈着物を見つけるのか?」という記事を


書いた時に生命体はイオンの流れにより、外部に電場、磁場が放射


されていると書きました。


バー博士の動電場がこの電磁場なのかどうかは、はっきりしませんが


生命の発生、分化に関して言えばそれだけではない別の力が働いている


としか考えられない部分もあります。


今回はバー博士の興味深い実験を紹介します。


バー氏が女性の動電場の測定実験をしたところ、1か月という周期で


顕著に電位が上昇する時期がありました。


その後、動物実験や、ある女性患者の外科手術による確認により


これは間違いなく排卵が始まる時期に正確に一致しているということが


わかりました。


排卵は一般的には月経の中間期に起こると考えられています。


確かに多くの女性は、そうなっていましたがこれには個人差があり


通常排卵が起こるとは考えられていない時期に起こる女性、あるいは


月経の時期と排卵の時期に、相関関係の無い女性もいました。


ある不妊に悩む女性は、それまでいろいろなことを試しましたが


効果がなく、バー氏の指導で毎日体の電位変化を測定して排卵の


時期がわかり、無事妊娠することが出来たそうです。


これらの実験は1900年代前半に行われたものです。


これほど簡単な排卵時期の、特定方法が何故現代の不妊治療に全く


利用されていないのか、私には不思議でなりませんが結局は


医療業界、製薬業界の利権がからんでこれらの業界の利益に


ならないからという理由ではないでしょうか。


妊娠がうまくいかない人は、通常考えられている時期とは


全く違う時期に排卵が起こっている可能性もあります。


現在ならバー博士が実験していた当時より、はるかに安価で


性能の良い電位測定器がありますから、家庭で簡単に自分の


電位変化を測定して排卵時期を確認できると思います。