痛みとは(3)
今回も西洋医学での一般的な疼痛の説明を書きたいと思います。
ときどき私の考えも付け加えます。
5.疼痛の種類
疼痛の発生様式による分類(全3種類)
(1)侵害受容性疼痛(いわゆる外部からの刺激による痛みです)
侵害受容器は、脳、脊髄、関節軟骨を除く全ての器官に存在する。
(2)神経因性疼痛
末梢神経や中枢神経の機能不全により起こる。
例えば腕を切断したにも関わらず指が痛む幻肢痛などもこれに入る。
(私の考えでは幻肢痛も指につながっていた知覚神経線維が腕の
切断面で刺激されることにより起こるのではないかと考えて
います。)
(3)心因性疼痛
刺激がない、あるいは軽微な刺激を痛みと感じる。
うつ性、ストレスなど。
(私は、うつの場合の痛みなどでも必ず知覚受容器に対して
何らかの物理的な刺激が起きていると思っています。)
6.痛覚異常
(1)痛覚過敏
感覚系の感作などで、弱い侵害刺激でも強い痛みと感じる状態。
(私は、なんらかの原因により知覚受容器の静止膜電位が上昇
した状態が維持されているために起こるのだと思っています。)
(2)アロディニア(異痛症)
通常は痛みを起こさない刺激が、すべて疼痛として強く認識される。
神経因性疼痛などの慢性疼痛によくみられる。
(これも痛覚過敏同様、知覚受容器の静止膜電位が上昇している
ために軽い刺激でも痛みと認識してしまうのだと思います。
以前に、かゆみ<気持ちいい<痛い の順に知覚受容器からの
インパルスの発射頻度が増えているようだと書いたのを覚えて
いるでしょうか。)
7.慢性痛や痛覚異常により起こる二次性の問題
(1)睡眠障害
(2)食欲の変化
(3)抑うつ
(4)活動水準の低下
・動くと痛むので当然動きたくなくなる。
(5)対人関係の悪化
・痛みがあると、気分が暗くなったり、いらいらしたり、周囲の人
とも衝突しやすくなってしまう。
(6)その他
・仕事上での制限など。
(場合によっては仕事を変えなくてはならない)
・性生活での障害が起きる場合もある。
次回はペインクリニックなどでは一般的にどのような治療が行われて
いるかを書きたいと思います。