神経伝達の方法
今回は電気的な方法について、少し詳しく書きます。
例えば
・脳波
・心電図
・筋電図
これらは全て、体内の電気信号を測定しているものです。
ではどのようにして、この電気信号は伝えられるのでしょうか?
以前、細胞内と細胞外ではナトリウムとカリウムの濃度に大きな違いがある
と書いたことがあります。
この濃度差により、細胞内外には電位差というものが発生します。
これを静止膜電位といい、通常は細胞外を基準(0V)とすると細胞により
若干の違いはありますが、細胞内はおおよそ-70mVとなります。
また、細胞膜上にはナトリウムチャネル、カリウムチャネルというゲートの
ようなものがあり、通常はナトリウムチャネルは閉じた状態、カリウム
チャネルは開いた状態になっています。
ここまで大丈夫でしょうか?
次に興奮性細胞について説明します。
体内にはいろいろなタイプの細胞が存在しますが、その中に興奮性細胞と
呼ばれるものがあります。
例えば
・筋肉
・神経
・触覚、視覚、味覚、聴覚、嗅覚などを司る感覚器
これらの細胞は刺激を受けると、活動電位というものが発生します。
ではこの活動電位というものがどのように発生するかですが、その前に
「分極」、「脱分極」という言葉について説明しなければいけません。
---もうかなり疲れてきた人も、いるような気がしますが ・ ・ ・
・分極
通常、細胞は細胞外の電位を基準(0V)とすると細胞内が-70mV
となっています。(静止膜電位)
分極とは細胞の外と内に、一定の電位差がある状態です。
つまり細胞は通常は分極状態ということになります。
・脱分極
この細胞内、外の電位差がゼロに近づいていくことを、脱分極と
言います。
・脱分極と活動電位
興奮性細胞(筋肉、知覚受容器など)が外部からの刺激(圧力、光、
あるいは脳からの指令など)を受けると、細胞内外の電位差が小さく
なっていきます。
そして通常約70mVある電位差が、およそ50mV以下(これを
閾値といいます。)になると普段は閉じているナトリウムチャネルが
開くことにより、急激に電流の量が増加し興奮性細胞は活性化します。
(例えば筋肉なら収縮。)
・全か無の法則
興奮性細胞には次のような性質があります。
・電位が閾値を越える----ON
・電位が閾値を越えない---OFF
これを生理学では「全か無の法則」と呼んでいます。
これは、まさしくデジタル回路で使用されている半導体素子と同じ
性質です。
では、どのようにして知覚受容器などは刺激の強さを認識している
のでしょうか?
知覚器が刺激を受け一度閾値を越えると一回インパルスが発射されます。
要は、このインパルスが何回発射されるかで刺激の強さを認識している
わけです。
単純に言うと、例えば10グラムで押されたらインパルス1回、100
グラムならインパルス10回というような感じです。
以前にも書きましたが、現代医学では「かゆみ」という感覚がどのように
感知されているのか、いまだにわかっていないということになっています。
私に言わせれば単純に知覚器のインパルスの発射頻度の違いが、自分の
体に加えられた刺激を「かゆい」と感じるのか、「きもちいい」と感じる
のか「痛い」と感じるのかを、分けているのだと思っています。
ここまでの内容は「喘息」に関する説明をするためのものでした。
次回は私なりの「喘息」の原因を書きたいと思います。