筋肉痛の原因(真野説)

 

 

 今回は「筋肉痛の原因(真野説)」です。


先日、ジャパン・カレッジ・オブ・オステオパシーの夏合宿に参加して

久しぶりに運動をしたら、案の定、翌日筋肉痛になってしまいました。

筋肉痛の原因は、医学界では今も良くわかっていません。

一応、いくつかの説がありますので紹介すると、筋肉内に乳酸が溜まり、

それが痛みの原因となる。

あるいは、筋肉や筋膜などの微細な損傷によって起こる炎症が、痛みの

原因となるなどです。

私なりの筋肉痛の原因はというと、結局はいつもの結合組織内の沈着物と

いうことになってしまいます。

それでは順を追って説明していきましょう。

もう私のブログでは何度も書いてきましたが、筋肉が骨に付着する腱の

部分やその周囲は沈着物が溜まっている場合が多いです。

スポーツなどで筋肉を動かすと、まずは筋肉への血流が増加します。

さらに、筋肉の収縮、弛緩の繰り返しにより腱やその周囲に沈着した

タンパク質には物理的な力が、繰り返し加わります。

そうすると、この付着していたタンパク質のうち凝集して硬くなって

いた部分が、血流量の増加や機械的な刺激によりだんだんと水分を含んだ

ゲル状になって、柔らかくなると同時に膨張していきます。

その結果、まずこの膨張したゲル状のタンパク質が周囲の知覚受容器

(自由神経終末)を刺激して痛みを発します。

さらにこの膨張したタンパク質の作用により、筋肉(錘外筋)のトーヌス

を調整している筋紡錘内にある受容器のらせん終末(Ia線維)の張力が

高まり、伸長反射により筋トーヌスが上昇して筋肉の緊張が高まります。

すると沈着物の膨張による刺激に、筋肉の引っ張りによる腱、筋膜、骨膜

などへの刺激も加わり、さらに痛みが増加すると思われます。

これが、私が考えている筋肉痛の原因です。

ですから、何日かすると柔らかくなって膨張した沈着物が循環系により

洗い流されて、痛みは治まります。

また、ある程度の年齢になると何日も経ってから痛みが出る場合があります。

これは年齢が高い人ほど、この沈着物の凝集度合が大きく若い人よりも硬く

なっていることが理由でしょう。

そのため、痛みを発生させるレベルまで膨張するまでに多くの時間を

要するのだと思います。

ですから、この沈着物ができるだけ溜まらないようにするには普段から

適度の運動をすることが大切になってきます。

しかし、過剰な運動は筋線維の損傷を起こしたりして、逆にこの沈着物を

増加させてしまいますので禁物です。

また、適度というのは人によって違いますので、目安としては

「ちょっときつくなってきたな」と感じる程度が良いと思います。

運動をする時間が取れないという人は、風呂上りなどにストレッチをする

だけでも、かなりの効果があります。

その場合ストレッチは決して、反動をつけてはいけません。

自分がちょうど気持ちいいと思うくらいのところで、数分間待つのです。

すると、腱の線維のあいだに入り込んでいるタンパク質が外側に押し

出されて、待っているあいだに間質液の流れにより、洗い流されて毛細

リンパ管へと吸収されます。

次回は今回の内容に関連して、「足がつる」ということについて、考えて

みたいと思います。