「茶のしずく」石鹸によるアレルギーついて(6)
今回から「茶のしずく」石鹸で起こるアレルギー症状について、一つづつ
考えていきたいと思います。
まず「茶のしずく石鹸について(1)」の時に紹介した医療関係者向けの
アレルギー症状の判断基準について、体に現れる症状に関する部分を
もう一度書きます。
以下の1、2、3をすべて満たす。
1、加水分解コムギ(グルパール19S)を含有する茶のしずく石鹸等を
使用したことがある。
2、以下のうち少なくとも一つの臨床症状があった。
(1)加水分解コムギ(グルパール19S)を含有する茶のしずく
石鹸等を使用して数分後から30分以内に接触蕁麻疹
(痒み、眼瞼浮腫、鼻汁、膨疹など)が出現した。
(2)小麦製品摂取後4時間以内に痒み、膨疹、眼瞼浮腫、鼻汁、
呼吸困難、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、血圧低下などの
全身症状がでた。
ではまず2-(1)の内容から分析します。
・痒み
痒みに関しては繰り返しになりますが、現代生理学では
「痒みの知覚受容器は見つかっていない」と、どの生理学書
にも書かれていると以前にも書きました。
それに対して私は、痒みというのは化学物質によるものではなく
物理的な刺激であり、体に備わっている各種圧受容器にどの程度の
刺激が加わるかで、受容器から発射されるインパルスの発射頻度が
変わり、発射頻度が増えるにつれて
かゆい < 気持ちいい < 痛い
という順に脳が、その刺激に対してどのように感じるのかを判断
するのだと、何度も書いてきました。
ですから私が患部を治療する際に、患者さんが痛いと感じる
ぎりぎりのところまで圧をかけると、「イタ気持ちいい」という
反応が返ってきます。
また蚊に刺された時に、蚊に刺されてかゆい部分を手でかくと
気持ちいいと感じますが、これも同じことです。
私流に言えば以前「蚊は治療家?」という題で書いたように
蚊がタンパク質分解酵素を注入して膨らんだ体内の沈着物によって
圧受容器が刺激され、痒みが発生するということになります。
それを手でかくことにより、圧受容器への刺激がさらに増え
今度は脳が気持ちいい、という処理をします。
また刺された部分を手でかくということは、物理的に膨らんだ
沈着物を除去することにもなります。
「茶のしずく」の症状に戻ります。
前回、「茶のしずく」に含まれる「グルパール19S」は体内に
沈着した、タンパク質を溶かして膨張させると書きました。
これは、私が考えている「蚊に刺される」という現象とまったく
同じです。
界面活性作用によって細胞膜を破壊し、皮下に入り込んだ
「グルパール19S」は結合組織内に沈着したタンパク質を
洗剤と同じように溶かして、膨張させます。
その結果、ゲル化して膨張した沈着物が皮下にある圧受容器を
刺激して、ちょうど脳がかゆいと判断するレベルのインパルス発射
頻度になると、痒みが発生するということになります。
次回は眼瞼浮腫、鼻汁、膨疹について書きます。