「茶のしずく」石鹸によるアレルギーついて(8)
「茶のしずく」石鹸によるアレルギー症状では、それまで小麦製品に
対するアレルギーがなかった人にも、小麦製品摂取後にアレルギー症状が
出るケースがありました。
今回はこの原因について、考えてみたいと思います。
以前に、紹介した医療関係者向けに書かれた「茶のしずく」アレルギーの
診断基準の一部を、もう一度紹介します。
以下の1、2、3をすべて満たす。
1、加水分解コムギ(グルパール19S)を含有する茶のしずく石鹸等を
使用したことがある。
2、以下のうち少なくとも一つの臨床症状があった。
(1)加水分解コムギ(グルパール19S)を含有する茶のしずく
石鹸等を使用して数分後から30分以内に接触蕁麻疹
(痒み、眼瞼浮腫、鼻汁、膨疹など)が出現した。
(2)小麦製品摂取後4時間以内に痒み、膨疹、眼瞼浮腫、鼻汁、
呼吸困難、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、血圧低下などの
全身症状がでた。
今回は2-(2)の部分について考えていきます。
それまで、小麦製品に対するアレルギー症状がなかった人が「茶のしずく」
によって、小麦アレルギーが発症したケースを考えると、おそらく
それらの人達はアレルギー症状が出るほどではないが、もともと
体液循環が、あまりよくなかったと推測されます。
それらの人達は、小麦製品単体ならアレルギー症状を起こすほどには
間質のタンパク質の濃度が上がらなかったが、それに「茶のしずく」に
より、皮膚から皮下へと浸透した「グルパール19S」の作用が加わり
結果的に体に症状として現れるくらいのレベルで、間質に沈着していた
タンパク質が溶かし出されてしまったのだと考えられます。
次にそれぞれの症状についてです。
痒み、膨疹、眼瞼浮腫、鼻汁に関しては前々回、前回と説明したので
よいと思います。
呼吸困難、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、血圧低下などは、いわゆる
アナフィラキシー型(I型)アレルギーの典型的な症状だと
考えられます。
I型アレルギーに関しては「気管支喘息の原因(西洋医学的)」という
題でブログを書いた時に、西洋医学的な説明をそれなりにしていますので
そちらをお読みください。
西洋医学の一般的な説明では、アナフィラキシー型はIgE抗体に
よるものと説明されていますが、私の考えではアナフィラキシーも
間質のアミノ酸、ペプチド、タンパク質などの濃度が上昇した結果
であり、アナフィラキシーショックは今まで説明したような反応が
急激に起こり、一気に体液内のタンパク質などの濃度が上昇した
結果だと思っています。
また長くなってしまうので、とりあえず今回はここまでにして
次回から呼吸困難、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、血圧低下について
個々に考えていきたいと思います。