遺伝子組み換え大豆とアレルギー

 

 

 前回は遺伝子組み換え作物が、開発された経緯などを書きましたが、


今回は、その安全性について書きたいと思います。

遺伝子組み換え作物の安全性については、厚生労働省のホームページに

Q&Aがあり、その中では遺伝子組み換え作物は、その安全性について

科学的に検査をした結果、全く問題がないため毎日食べ続けても安全です。

という内容のことが、書かれています。

では、その試験方法とはどのようなものなのでしょうか?

まず、この試験をおこなっている国際機関はどこなのかというと、普通に

考えると世界保健機構(WHO)かなと思いますが、実際にこの試験を

おこなっているのは、経済協力開発機構(OECD)です。

ちなみに、この機関の主要加盟国はアメリカ、ブラジルなどの穀物の

輸出国だということも覚えておいてください。

次に、遺伝子組み換え作物とアレルギーとの関係ですが、食物アレルギーの

原因物質としては食物中に含まれるたんぱく質が、その1つと言われて

います。

それで、OECDでも遺伝子組み換え大豆に含まれるタンパク質についての

評価試験をおこなったわけです。

まずは最初におこなった際の試験方法はというと、


    摂氏108℃の温度で30分間、加熱をする


という試験方法でした。

すると、その結果はどうなったか。

通常の大豆と遺伝子組み換え大豆では、アレルギーのもとになるタンパク質の

量に「有意差あり」、という結果となってしまいました。

「有意差」というのは統計学のことばで、試験結果を評価する際に使われる

ものです。

「有意差あり」とは、つまり遺伝子組み換え大豆のアレルギー原因タンパク質

の量のほうが、通常の大豆のアレルギー原因タンパク質の量よりも、問題を

起こす可能性があるレベルで多いという結果になったということです。

この結果を受けて、OECDは慌てました。

なにせ、OECDの主要加盟国は遺伝子組み換え作物の輸出を推進している

アメリカやブラジルですから。

そこで、彼らは何をしたかというと試験方法自体を変えてしまいました。

最初の試験では108℃、30分という加熱方法でしたが、次に行った

加熱方法は、


    摂氏220℃の温度で25分間、加熱をする。


というものでした。

この温度は通常の調理では、ほとんどありえないくらいの高温です。

その結果、無事(?)アレルギーの原因タンパク質は分解されて、

統計学的に「有意差なし」というレベルまで下げることができました。

これが、現在遺伝子組み換え作物を食べても問題ないと言われている

根拠となった評価試験の内容です。

次回は、問題点その2のラウンドアップ耐性雑草(スーパー雑草)に

ついて書きたいと思います。