骨膜リリース
以前にも書きましたが、歴代の多くのオステオパス達がそれぞれ独自に
研究を重ねた結果、オステオパシーにはさまざまなテクニックが生まれ
ました。
スラスト、筋エネルギーテクニック、ストレイン・カウンターストレイン
筋膜リリース、FPR、頭蓋仙骨療法、内臓マニュピレーションなどなど。
これらのテクニックの多くはおもに、筋肉、筋膜、靭帯などに作用させる
ものです。
わたしは、上記のテクニックの他に自分で見つけた方法をよく使って
います。
それを「骨膜リリース」と自分では呼んでいます。
山田さんは「骨変形療法」と名付けてくれましたが・・・。(内輪ネタ
ですいません。)
最近は全ての方法が、スティルとフルフォードの本をもとにして考えた、
独自のやり方になってしまい、他のオステオパスから何のテクニックを
使っているの?と聞かれても答えられなくなってしまいました。
ちなみに私が参考にしたスティルのテクニックは、スティルの著書である
「Osteopathy Research & Practice」をもとにしているもので、
R・V・バスカークDOのスティルテクニックとは全く別のものです。
(例えば、唯一残っているスティルの治療映像では肩関節を可動域の
ほぼ全周にわたって動かしていますが、バスカークDOのスティル
テクニックではあの映像の説明をすることはできません。
スティルの著書に書いてある、股関節の治療方法でも同様です。)
骨膜に作用させるテクニックは、私が調べた限りでは見つかりませんでした
ので勝手に名前をつけても、まあ問題はないでしょう。
これを見つけたきっかけですが、それは私がヨガでいわゆる座禅の形に足を
組んだときのことです。
あぐらをかくときや、足を組んで座禅の形をとる時に、どちらの足を上に
するかはだいたいの人は、決まっていると思います。
私の場合は、右足が上になるのですが、逆に左足を上にすると右足のすねの
部分が痛くてたまらないのです。
それで、この痛みの原因がどこにあるのかを調べてみました。
その結果、わかったことは左右の足の脛骨(すねの部分の骨のことです。)
の弾力性に違いがあるのです。
それで、また何がこの弾力性の違いを生み出しているのかを調べた結果
どうやら骨膜の硬さの違いだということがわかりました。
要するに私がいつも言っている、沈着物が右脛骨の骨膜により大量に
沈着していたということです。
原因がわかれば、あとはそれを治すのはそれほど難しいことではないので
早速、骨膜を緩めてみると見事に右脛骨の弾力性が戻り、座禅の際に
どちらの足を上にしても、痛むことがなくなりました。
その後、いろいろな部位を調べてみると体中で骨膜が硬くなっている
部分があるのが見つかりました。
特に頭蓋骨、鎖骨、寛骨(骨盤の骨)、肋骨などは、骨膜リリースを
しないと、問題を取り除くことができない場合がよくあります。
治療家の方でオステオパシーのテクニックを使っている方は、骨の
弾力性を調べて、ぜひ骨膜を緩めるということを試してみてください。
劇的な変化が起こるかもしれません。