小児喘息は、なぜ自然と治癒する場合が多いのか?
喘息のシリーズも今回で終わりたいと思います。
今回は小児喘息に関してですが、この小児喘息というものは思春期頃
までに自然に治癒するケースが結構多いようです。
この理由を、私なりに考えてみました。
これまでの、スティルやケイシーが述べている内容によると喘息の
一番の原因は、からだの構造的な問題だということになっています。
そうすると、思春期までの間に体になんらかの構造的な変化があった
ということではないでしょうか。
スティルは、
「全ての骨の位置が本来あるべき正しい位置になければ
血液供給、リンパ環流、神経伝達の正常な働きは望めない。」
と言っています。
ちなみに体を側面から見たときの正しい重心線というのは、書籍によって
若干の違いがありますが、概ね以下のようになっています。
(このラインはプロメテウス解剖学アトラスからのものです。)
つまり、骨格の状態がこの重心線に近いほど体液循環や神経伝達が
良好になるということです。
しかし、出生時の体はこのようにはなっていません。
まずは胎児の状態です。
胎児、そして出生直後は上図のように前方にC字型の弯曲があるだけです。
この前方の弯曲を一次弯曲といいます。
出生後数か月すると、子供はハイハイを始めます。
ここで、あらたな弯曲が出来ます。
頭を持ち上げるために、首の部分に後方への弯曲ができます。
これを二次弯曲といいます。
そして、個人差はありますが、おおよそ出生後10か月から13か月
くらいの間に子供は歩き始めます。
ここで新たに腰椎の前弯ができます。
これで、初めて人が直立歩行して歩くための脊柱のS字カーブが
できるわけです。
しかし、この時点では人が立ったときの理想的な重心線からは、まだ
外れた状態にあります。
そして、体が徐々に成長していき女性なら中学生の中頃、男性なら
高校生の前半くらいに、ほぼ大人の骨格に近くなります。(これも
かなり個人差はありますが。)
私は、このように大人の骨格へと成長することと喘息の治癒の時期に
関係があるのではないかと思っています。
つまり、体がだんだんと大人の体型になり重心線が理想的な状態に
近づくにつれて、体液循環や神経伝達が正常化していき喘息の症状が
消えていくのではないかと推測しています。
これは喘息だけではなく、小児のアトピー性皮膚炎、また思春期の
ニキビにも関係しているではないかと考えています。
これらについても、そのうち書こうと思います。