体内の沈着物除去法-アルコール(エタノール)

 

 

 今回は、体内の結合組織内に沈着したタンパク質を化学的に除去する方法の


3番目として、アルコール(エタノール)をとりあげます。

エタノールはビール、日本酒、焼酎、ウイスキーなど、普段飲んでいる

お酒に含まれている、アルコールの成分です。

まず、最初に言っておかなければいけないことは、エタノールを体内の

浄化に使うのは、諸刃の剣だということです。

エタノールは、私の経験ではまず間違いなく、結合組織内に蓄積した

タンパク質を除去する能力があると思います。

しかし、それと同時に肝臓に負担をかけてしまうのです。

ですから、体内の沈着物の除去にエタノールを使うのは避けて、できれば

別の方法をとった方が良いです。

今回は、結合組織内に沈着したタンパク質がなぜエタノールで取り除く

ことが出来るかと、アルコールが肝臓でどのようにして分解されるか

ということの両方を書きたいと思います。

まず、エタノールが結合組織内に沈着したタンパク質をどのように

除去するかです。

エタノール(化学式CH₃CH₂OH)は有機溶剤としても用いられる

ように有機物を溶かす性質を持っています。

エタノールはプロトン供与性という性質を持っていますが、プロトン

とはプラスの電荷のことを言い、この場合は水素イオン(H⁺)のことを

いいます。

つまり、お酒を飲むと体内でエタノールが持っているHが結合組織に

溜まったタンパク質のジスルフィド結合(S-S結合)に作用して

還元反応が起こり、結合が断ち切られるということになります。


        R                      R
        |                    |
        S                   SH
ジスルフィド   \   + 2H⁺ + 2e⁻  →     
 結合       S                 SH
           |                 |
           R                   R

となります。

この作用により、結合組織内のタンパク質(ポリペプチド)は

間質に流れ出てきます。

私がビールで試した限りでは、かなりの効果があると思います。

しかし、エタノールにはマイナス面もありますので次にそちらを

書きたいと思います。

アルコール自体は人が生きていく上では必要の無いものですので、

体内に入ったアルコールは肝臓において分解されます。

まず最初にアルコール脱水素酵素によって、アセトアルデヒドに

分解され、さらにアセトアルデヒド脱水素酵素によって、酢酸へと

分解されます。

その後、酢酸は水と二酸化炭素に分解され体外へと排出

されます。

そもそもアルコールは人の体に必要のない異物ですし、また、

アセトアルデヒドはシックハウス症候群の原因物質にも

なっている、非常に毒性の強いものなので肝臓に負担をかけて

しまいます。

ですから、体内に沈着したタンパク質の除去にアルコールは

勧められないということです。

ところで、私の推測ではお酒を飲んでいる最中や飲んだあとに

尿タンパクの濃度を調べると、通常よりかなり高い値が出ると

考えているのですが、どこかにそのような実験をしたことがある

お医者さんはいませんかね?