本当のリリースとは?

 

オステオパシーでは組織の障害を取り除く意味で、「リリース」


(解放する、自由にする)という言葉を使用します。


私は本当の意味でこのリリースを実現するには、間接法ならば


カウンターストレインのように、ある程度の時間。


直接法、例えばスラストならば、的確な方向、力、そして瞬発力、


スラスト以外の直接法ならしっかりとした力と方向。


間接法にしても、直接法にしてもこれらがなければ、それはただ単に


筋紡錘やゴルジ腱器官の反射作用により一時的に筋肉が弛緩した


だけに過ぎないと思っています。


ですから、各種手技療法を受けた際に


「やってもらったすぐ後は楽なんだけど、しばらくすると元の状態に


 戻ってしまう。」


ということになってしまいます。


オステオパシーでも軽い力で、しかもそれほど時間をかけずに行う


治療方法がありますが、私からするとその効果は大いに疑問です。


ここで、私が「この人たちは本物だ」と思っているオステオパス達の


言葉をいくつか紹介したいと思います。



A・T・スティル


・上位肋骨の治療の際に


(最初の部分は省略)・・・筋や靭帯を緩めるため、患者の腕を


つかんで、強く押し上げる。


・尾骨


(最初の部分は省略)・・・尾骨筋に十分な力が加わるように強く押す。


・股関節


(最初の部分は省略)・・・大腿を膝とクロスさせ、足関節を下方に強く


引っ張る。



・ローレンス・ジョーンズ


私は自信を持ってサザーランド派の人達よりも強い力を使って頭蓋の


治療をしているが、体がそうしていいとはっきりと教えてくれるから


である。 (中略) 私は頭蓋骨もからだの一部だと考えており、他の


部分と同様、それを正常に機能させようというのである。



・ロバート・フルフォード


アンドルー・ワイル博士が、パーカッション・ハンマーを使用する理由


をたずねた際の、フルフォード先生のこたえ。

 
    「同じことは手でもできるが、すごく力がいるんだよ」





今回、これらを紹介した意図をこの業界の方たちは酌んでいただけるで


しょうか。


いくら、やさしいタッチで痛みや副作用がないと言っても毒にも薬にも


ならないのでは、意味はありません。


最後にひとこと付け加えておきますが上記の3人は治療の際に、むやみに


強い力をつかっていたわけではなく、患者にできるだけ苦痛を与えないよう


にと、細心の注意をはらっていました。