体内の沈着物除去法-パイナップルダイエット
今回は、酵素を利用して体内の沈着物(今回は主にタンパク質)を除去する
方法について考えていきたいと思います。
酵素もタンパク質の一種ですが簡単にいうと、物質と物質の化学反応を
促進させる触媒と考えればよいと思います。
ひとは、毎日食事をして、肉、魚、野菜、乳製品などさまざまなものを
食べていますが、それが1日でほぼ分解されて便として排泄されます。
もし、これらの食べ物を常温で置いておくと徐々に腐敗していきますが、
完全に分解されるまで何日どころか何十日もかかってしまいます。
ではなぜ、体内ではこれほど早く食物が分解されるかというと各種
の酵素が手助けをしているからです。
この酵素は、漬物などの発酵食品、お酒を造る際の酵母菌などさまざまな
場面で古くから利用されてきました。
人の体内では大きく分けると3種類の酵素が働いています。
それらはプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)、アミラーゼ(デンプン
分解酵素)、リパーゼ(脂肪分解酵素)で、これらの酵素の働きにより
食物はすみやかに分解されますし、体中のあらゆる場所でも酵素は
いろいろな働きをしています。
体内の沈着物を除去する際に利用するのは、これらの酵素のうちの
プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)ということになります。
繰り返し言っているように、体内の沈着物の主成分はタンパク質
だと思っています。
前回書いたように、タンパク質の立体構造を維持させている最も
強い力はアミノ酸のシステインどうしの結合であるジスルフィド結合
(S-S結合)ですので、それを酵素によって断ち切る方法を考えて
みました。
人が体内で産生するプロテアーゼの量は限られており、それも主に胃から
腸にかけての消化器内で使用されています。
そこで、より多くのプロテアーゼを食物として取り入れようと考えました。
調べてみると下記の食物にプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)が多く
含まれていることがわかりました。
食物名 酵素名 作用するアミノ酸
パイナップル ブロメライン システイン
パパイア(未熟のもの) パパイン システイン
キウイ アクチニジン システイン
イチジク フィシン システイン
メロン ククミシン セリン
玄米 オリザイン ?
最初の4種類はシステインどうしの結合であるジスルフィド結合、メロンは
セリンどうしの結合、玄米はどのアミノ酸に作用するのかわかりませでした。
このうちのパイナップルを実際に試してみました。
一番の理由は安いからです。
最近、バナナやパイナップルがあまりにも安くて、これで現地の生産者は
やっていけるのかと逆に不安になってしまいます。
それとも、日本のような個人の農家はいなくてどこもDoleのような
企業に雇用されている形なのですかね。
ところで注意しなければいけないことは、缶詰のパイナップルでは酵素が
壊れているので生のものを食べるということ、玄米も炊いてしまうと
酵素が壊れてしまうということ。
酵素は通常約60℃より高い温度になると破壊されてしまいます。
しばらくの間、朝、昼、晩、パイナップルだけを食べつづけたところ、
私の感覚では、かなり体内で硬くなっていた沈着物が柔らかくなって
取り除きやすくなったと感じました。
しかし、これには一つ難点がありパイナップルをあまりたくさん食べると
舌にも酵素の影響で痛みが出てしまうのです。
そこで、何か良い方法はないかと調べると、なんと既にパイナップルの
酵素ブロメラインを抽出したものが、サプリとして何種類も製品化されて
いるのをみつけました。
健康食品業界というのは本当にすごいですね。
その作用の説明に関しては、私が考えていることとは違いましたが、
とりあえず、現在も朝と晩そのサプリを飲み続けています。
また、さらに驚いたことにアメリカの作家ジュディ・マゼルが1981年に
出版した「ビバリーヒルズ・ダイエット」という本にパイナップルを
使用したダイエット方法が載っており、アメリカでは一時期大流行
したようです。
マゼルのダイエット方法はかなり厳格なようですが、わたし的には
食事の時に出来ればパイナップルと一緒にタンパク質を摂らない。
(パイナップルの酵素が体内に沈着したタンパク質の分解ではなく、
食物のタンパク質分解に使用されてしまうため)
注意事項といえばこの程度でよいと思います。
また、私は体内の脂肪の蓄積もその脂肪の土台になっているのは
間質の糖タンパクであるプロテオグリカンだけでなく、この沈着した
タンパク質も脂肪の土台ではないかと考えているので、沈着した
タンパク質が除去されると、脂肪も一緒に取り除かれ、かなりの
ダイエット(この場合は痩せるという意味)効果があるのでは
ないかと考えています。
サプリも手軽で悪くはないのですが、生の方が他のミネラルの供給
もできますので、できれば生のパイナップルを食べた方が良いと
思います。
方法としては、食事の際にデザートとして普通より量を多めにして
パイナップルを1/4切れ位食べるだけでも効果があると思います。
最後にもう一つ、日本の甲田式健康法では玄米の生食をすすめて
いますが、これも玄米の酵素を壊さずに食べるということが実は
体によい作用を与えているのではないかと思います。
しかし、実際には玄米の生食はかなり無理がありますので、やると
すれば、温度を上げずに低温で玄米を挽いて粉末にし、それを
ふりかけのようにして、ご飯やおかずにかけるくらいにしておいた
方が良いと思います。
ちょっと長くなってしまいましたが、今回はこれで終わります。
次回は不飽和脂肪酸を使った、体内の沈着タンパク質の除去に
ついて書きます。
追記
パイナップルを食べる時、ヨーグルトをかけると舌が痛くならずに
食べることが出来ます。
ヨーグルトにもタンパク質は含まれていますが、かけて食べる程度なら
問題ないようです。