痛みとは(1)

 

 

  今回から、しばらくは痛みというものについて考えていきたいと


思います。

まずは西洋医学的な痛みの定義からです。

とりあえず私個人の考えは脇へ置いておきます。



1.疼痛の定義


(1)国際疼痛学会(1986年)
  
  An unpleasant sensory and emotional experience

  associated with actual or potential tissue damage
 
  or described in terms of such damage.
  
  現実の、あるいは潜在的な組織損傷を伴う、または
 
  そうした損傷のような用語で表現される不快な、感覚的
  
  情動的経験。

  (日本語にすると、かなり意味不明ですが・・・)


(2)生理学的には
 
  物理的、熱、電気的刺激あるいは疼痛物質による化学的な刺  
 
  激を疼痛神経終末端が感知し、大脳の中心後回が痛みとして
 
  認識した結果。




2.疼痛という感覚の意味


(1)生存に欠くことの出来ない感覚。

  (危険を知らせることで、身体の保護に働く。)

  ・例えば痛みを全く感じない無痛症の患者は通常では考えられない

   ような怪我を何度も繰り返す。

  ・糖尿病患者などに起きるシャルコー関節では、痛覚が麻痺すること

   により足部に変形をきたしてしまう。


(2)医学的見地からいえば、患者の自覚症状と場所から、痛みの

   原因を特定できる可能性がある。


(3)時には痛みそれ自身が疾患として振る舞い、痛みを除くことが

   治療となる。




とりあえず今回はここまでにして、次回は解剖学的なことについて

書きたいと思います。