皮膚表面は、なぜ弱酸性なのか?
何年か前から、ビオレUなどのCMでお肌は弱酸性なので、弱酸性の
ビオレUはとってもお肌にやさしいという宣伝をしていますが、
そもそも、お肌はなぜ弱酸性なのか? その理由は、
結論から言いますと、
1、皮膚から分泌される皮脂に含まれる脂肪酸
2、皮膚表面に常在している細菌が産生する物質
この二つによって皮膚の表面は弱酸性に保たれて、バリアとしての
機能を果たしています。
ということは、これらの物質が洗い流されてしまえば皮膚表面は
弱酸性の状態を維持することができずに、外界からの刺激に無防備な
状態になってしまうということになります。
まずは皮膚の構造から見てみましょう。
実際には上の図の他にも、各種知覚受容器、血管、神経などもっと
いろいろなものがありますが、今回の内容に関わる部分のみの
図を載せました。
体の部位により差はありますが、おおむね表皮の部分が0.2mm
真皮の部分が1.8mmくらいの厚さがあります。
皮脂腺からは、皮膚表面を弱酸性に保つ脂肪酸や水を弾いたり、
皮膚表面を柔軟に保つための皮脂が分泌されます。
また、皮膚の表面には表皮ブドウ球菌という細菌が常在しており
この細菌が分泌する物質も、皮膚表面を弱酸性に保つ働きをして
います。
ブドウ球菌というと、食中毒の原因となる黄色ブドウ球菌を思い
浮かべる方もいると思いますが、ブドウ球菌という名称は顕微鏡で
見たときに、ブドウの房のような形に見えるためにこのような名称に
なっています。
ですから、似たような名前でも表皮ブドウ球菌は体に害を与える
どころか、体を守ってくれています。
しかし、皮脂や表皮ブドウ球菌はあまり体を熱心に洗いすぎると
すっかり、洗い流されてしまい皮膚を保護することができなくなって
しまいます。
次に、ビオレUの成分を見てみましょう。
ビオレU全成分
水、ラウレス硫酸Na、PG、ペタイン、デシルグリコシド、ミリスチル-
アルコール、オクトキシグリセリン、ラウリルヒドロキシスルタイン、
ジステアリン酸グリコール、ノバラエキス、エタノール、ポリクオタニウム-7、
コカミドMEA、リンゴ酸、ラウレス-4、ワセリン、イソステアリン酸-
コレステリル、ハイブリッドヒマワリ油、PEG-65M、BG、クエン酸、
水酸化Na、安息香酸、EDTA-3Na、香料
ちなみに太字は体に害があることが判明しているもの、および
体にどのような影響があるかよくわかっていないものです。
成分表というのは通常、割合の多い物質から書いていきます。
水の次に多いのはラウレス硫酸Naですが、これは食器用洗剤の
代表的な洗浄成分です。
また、ビオレUがなぜ弱酸性かというとこれらの化学合成物質を
使用すると弱酸性にならざるをえないという理由からで、決して
お肌にやさしいから弱酸性にしているわけではありません。
そのあたりの詳しいことは、次回専門家の説明を載せますので
そちらをお読みください。
私は普段、太陽油脂というところで作っているシャンプーなどを
使っていますが、比較するためにそこのベビーソープの成分を
書きます。
パックスベビーソープ全成分
石鹸素地(マカデミアナッツ油、ハイオレックヒマワリ油、
パーム油、パーム核油を原料とする)、グリセリン
以上です。
同社の他の製品も基本的には、すべて同じような天然由来の
成分です。
私は以前、花王にビオレUと、昔ながらの天然素材の石鹸では
実際、どちらが肌にやさしいのですか?という意地悪な質問を
したことがあります。(わかっていて聞く私も、かなり性格が
悪いですが。)
答えは、その人の肌の状態にもよるのでどちらとも言えません。
というものでした。
結局は使う側が、自分で情報を集めて判断するしかないという
ことです。
次回はこの太陽油脂の方がダヴとビオレUについて書いた記事を
転載したいと思います。