金属アレルギーの原因(真野説)

 

 

 前回、日本アレルギー学会などでも金属アレルギーの原因は金属イオンが


体内のタンパク質と結合することが原因であると書いてあるが、その

タンパク質が何かについては、どこを探しても何なのかは具体的に書かれて

いないと説明しました。

そして、私なりの考えはいつものとおり、体内の結合組織内に沈着した

タンパク質が原因であろう、ということを書きました。

それでは、まず金属アレルギーを起こす元素の性質について書いて

いきたいと思います。

前回も書きましたが、金属アレルギーの原因物質のうち良く知られている

3種類の元素について考えていきたいと思います。

その3種類の元素とはニッケル(Ni),コバルト(Co),クロム(Cr)です。

元素の中には、原子の軌道から電子を放出して陽イオンになりやすいもの

逆に電子を取り込んで陰イオンになりやすいもの、そしてそのどちらでも

ない、電気的に安定したものがあります。

上記の3種類の元素を調べてみると、私が推測していたとおり、どれもが

陽イオンになりやすい性質を持っていました。

この陽イオンへのなりやすさをイオン化傾向と言います。

金属アレルギー学会のホームページでは、これらの元素は汗や唾液などと

反応してイオン化し体内に取り込まれると書いてあります。

イオンはいくつの電子をやりとりするかを1価、2価など価数というもの

で表します。

ニッケルイオンはとコバルトイオンは2価の陽イオンとなります。

記号では(Ni²⁺)、(Co²⁺)などと表します。

クロムイオンは3価の陽イオンとなります。

記号では(Cr³⁺)となります。(ちなみに金属アレルギーを起こすのは

3価ではなく6価のクロム(Cr⁶⁺)だけのようです。)

汗とこれらの元素が反応する際の反応式を探しましたが、どこにも

見つからず、しょうがないので自分なりに考えて書いてみました。

例えばニッケルなら


   Ni²⁺ + 2Cl⁻ ⇄ NiCl₂


ちなみに汗の中の塩分はイオン化してNa⁺とCl⁻に分かれています。

ニッケルがイオン化するということは、いったんニッケル表面が

塩化物イオンと反応して汗の中にNiCl₂として溶け出してきて

もう一度それが、水溶液中でそれぞれNi²⁺と2Cl⁻に分かれると

考えればよいのでしょうか?

例えば塩酸との反応なら、水素よりイオン化傾向の大きいこれらの

元素が反応して、水素が発生するということでわかりやすいのですが

汗の塩分は、Na⁺ と OH⁻ にすでに分かれていると思うので

果たして上記の考え方で問題ないのかよくわかりません。

専門家の方、誰か教えてください。

とりあえず、この反応が起こると考えます。

そして、このニッケルイオンが皮膚表面から皮下へと浸透すると

どうなるか?

タンパク質は通常マイナスに帯電しており、たとえば水素イオン(H⁺)

と反応するとジスルフィド結合が解かれて分解すると前にも書きました。

金属アレルギーを起こす金属はどれもプラスに帯電しているので、

これらも結合組織内に沈着している、本来そこにあるべきではない

タンパク質(ウィキペディアでは人間が本来持っているタンパク質

と書かれていますが。)と反応するはずです。

その結果、その部分のタンパク質が分解されて膨張、あるいは間質に

溶け出してきて、湿疹、かゆみ、発赤などのアレルギー症状が出る

のではないかというのが、私の推測です。

今回のものは、全く私の実体験が伴っていないので一度これらの

金属を使ったアクセサリーなどで、試してみたいと思います。